東アジア文化都市2019
日・中・韓 青少年唐詩百メートル長巻書道イベント体験記
~今年は豊島区が選ばれ、菅菰会から3名代表として参加~
菅菰会より参加した3名の貴重な体験、現在の中国西安の姿を写真と共に少し紹介させていただきます。
左から、五十嵐康太君(中1)、永井宏樹君(小5)、水野優希君(中3)
「東アジア文化都市」とは
日本・中国・韓国の3か国で、毎年各国の代表となる都市が、文化・芸術での相互交流を行う国家プロジェクトです。 今年で6年目となり、東アジア文化都市2019として、日本は豊島区、中国は西安市、韓国は仁川広域市が今年の代表都市として選定されました。
今回、西安市で「日中韓青少年唐詩百メートル長巻書道イベント」が開催されることになり、豊島区から高野区長を団長とする行政団と19名の学生が参加致しました。学生は、豊島区さらには日本の代表として、日中韓の学生達の文化交流が深まることを目的としての訪問です。
2019年8月5日 壮行会開催
7月末から豊島区書道会による練習会が数回に渡り開催され、豊島区役所スクエアセンターでの最後の練習会の後、壮行会開催、学生達は意気込みをそれぞれ語り、高野区長の激励を受けました。
唐時代の有名な詩人の王維、孟浩然、張籍、杜甫、李白、白居易、 蘇頲、盧綸、王之渙の詩を本番さながらの気持ちで皆で書きました。唐詩100mの長巻ということで、日本の学生団が担当する長さは約20mです。一人あたり1m程。行間を意識しながら丁寧に流れにのって書くことを意識しました。
2019年8月12日 西安市に向けて出発
豊島区役所近くで出発式が行われ、一同チャーターバスで羽田空港へ。上海虹橋国際空港で飛行機の乗り換えをし、西安咸陽国際空港に向かいました。8月12日~15日の日程で西安市を訪問。
(写真左)豊島区 高野区長さんと。(写真右)世界遺産 秦始皇帝陵博物院(兵馬俑)一号坑(長さ230m、幅62m、深さ5m。6000体以上の歩兵の兵馬俑)
西安市は中国中央部にある陝西省の省都で大都市です。紀元前11世紀以降、約二千年に渡り数々の王朝(周、秦、漢、隋、唐など)の都として栄えました。かつては長安と呼ばれ、シルクロードの東の起点にあたります。 西安近郊には、秦始皇帝陵から出土した等身大の何千もの兵士の俑で知られる有名な世界遺産、兵馬俑(へいばよう)があります。
2019年8月14日 イベント当日(西安大唐西市博物館にて)
明るく開放的な吹き抜けの素晴らしい会場で盛大で華やかなセレモニーが行われ、日中韓の学生、書家が東アジアの友好を願い、唐の時代に思いを馳せ、唐詩を書き上げました。
唐時代の有名な詩人の王維の詩を3人で書きました。
また、長巻イベント参加の他にも、始皇帝博物院、大唐芙蓉園、大唐不夜城の見学、「徳発長」餃子作り体験等をしました。
西安旅行記 中3 水野優希
今回、西安訪問という貴重な機会を頂き、大変光栄でした。日中韓の学生が長巻を書く間、集中による静けさが続いていました。国は違えど、書に向かう心は皆同じだと感じました。隣は中国の学生さん達が素晴らしい漢詩を書いていました。同じ書を習う者として、長巻を書いた仲間として、中国、韓国の学生の皆さんと交流を持つ時間が欲しかったです。
中国では観光地に等級があることが驚きで、最上級の5Aである始皇帝陵兵馬俑博物館、大唐芙蓉園、大唐不夜城等の見学も行かせてもらいました。兵馬俑は、西安からバスで片道一時間程かかる遠い場所だった為か、実際に兵馬俑見学ができたのは30分程。ですが、一番人気で最大の大きさの一号坑を何とか見学できました。一号坑は、巨大な体育館のような建物で、今までに経験したことがない人混みで、手を頭上に必死に伸ばし、スマホで兵馬俑の写真数枚と動画撮影をするので精一杯。巨大な建物内は非常に蒸し暑く、屋外に出た時は、気温30度以上はあるはずなのに、まるでクーラーが効いている部屋であるかのように涼しく感じられました。
西安は街全体が巨大なテーマパークのようでした。至る所に、歴史上の有名な人物の像、歴史的建造物があり、13の王朝があった古都の偉大さを感じました。大唐不夜城は近代的でイルミネーションが綺麗で持参した浴衣を着てお祭り気分で楽しみました。西安の大通りは華やかで近代的な建物が並び、路地裏は昔ながらの風情ある建物。対比が興味深かったです。僕達がお土産を買った店では現金が使えましたが、街中や空港の自販機はキャッシュレス化が進み、現金は使えませんでした。持参した海外用モバイルWI-FIのおかげでスマホが自由に使えたので、街中で見かけた中国のわからない漢字等を色々検索していました。日本との違いがとても面白かったです。
豊島区の引率職員の方々、書の先生方が安全管理をしっかりしてくださっていたおかげで快適な西安滞在となりました。書を通じてこのような素晴らしい体験をさせて頂いたことを深く感謝致します。本当にありがとうございました。
西安旅行記 小5 永井宏樹
中国へ行くことになって、初めての海外旅行で親も行ったことのないところに親もいない中で行くのはとても不安でいっぱいでした。実際行ってみたら、やはり不安は残っていましたが、空海が来た所に居るのだと思うとうれしくなりました。そして兵馬俑では中国人に負けないようにいきおいよく進んだりして、日本ではありえないようなかんじでした。また、徳発長では、見たことのない餃子があり、おもしろかったです。飲みものは、なかなか硬水は飲んだことが無かったので最初喉が痛くなりましたが、どんどんなじんでいきました。そして中国の歩道がとても広く、日本の明治通りくらいでおどろきました。
メインのイベントの長巻唐詩百メートルでは、行く前の練習の通りに書きたかったのですが、日本の墨とちがっていたので書きにくかったです。残念だったのが空海の字をゆっくり見られなかったのでまた行く機会があれば行ってみたいです。
今回の旅行ではいい先輩がいたのでその人のようになりたいです。先生方や先輩方にはお世話になり有難うございました。とてもいい経験の旅になりました。